日本の義務教育の中にセンスを磨くというプログラムは無い
欧州からの旅行者の多くは、日本人を、「非常に勤勉で規律正しくてすばらしい」と評価しています。
しかしその一方で、彼らは「なぜ日本は町並みがこんなにも雑多なのか?」と首を傾げてもいるのです。
それもそのはず、欧州では住宅や景観に対する規制が厳しく、中には道路沿いの花壇には必ず花々を植えておくようになどという文言さえあるのですから、当然、自分たちよりも遥に規律正しい日本人なら、もっと美しく整然とした町並みを形成しているものだと、来日するまでは想像していたのでしょう。
では、なぜ規律正しい日本人の作った町並みが、このように雑多になってしまったのでしょうか?
「それはそのような規制をする法律が無いからだ」とおっしゃる方もいるでしょう。それもその通りですが、それならば、なぜそういった法律を作らなかったのでしょうか?
答えは単純なことです。日本の義務教育の中には、道徳観を身につけるプログラムはあっても、センスを磨く(身につける)プログラムが無いからです。
また、日常の生活の中でも、本物のデザインやアートに触れる機会もほとんどありません。
言うならば、そういった環境がそもそもありませんから、たとえ国がそういった法律を提案したとしても、国民の理解が得られないがゆえに作れないのです。
もちろん、わが国の義務教育にも必至科目として美術の授業はあります。しかし日本の美術教育は、はっきりいってセンスを磨くためのものではありません。
それは評価というものを前提として、点数を付けてしまうからなのです(そうではない先生もいらっしゃるのは重々承知してますが)
ですから点数の低い生徒は絵を嫌いになってしまったり、苦手意識を持つこととなり、センスを磨くということから、より遠ざかってしまうのです。
また、そういった教育を受ければ、周囲(もしくは専門家)の評価=価値がある、と思考停止もするでしょう。
本来、アートに点数など付けようがありません。美術は数学や国語のテストのように、成績を決めるものではないのです。
ですから日本の美術教育のように、子供が書いた絵を、先生が段階評価するなどといった押し付けはしてはならないことなのです。
このように、残念ながら日本の義務教育の中でそういったセンスを磨くプログラムも無く、日常の中でも触れてこないのですから、一般的な教育を受け、育ってきた国民は、どうやればセンスって磨くの? というところがスタートラインになってしまうのです。
つづく
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