アルネ・ヤコブセンのアントチェア60”S(40)
まだ、僕が椅子をコレクションし始めたばかりの頃、スタッフの誕生日にと、買ったのが(全額は無理だったので折半)このアルネ・ヤコブセンのアントチェアだった。
そして、そのスタッフは「カーツさんもお金を出したし、これだけ良い物だから」と言って、お店のインテリアとして置いてくれる事になった。
1960年代前半のチーク材で造られたアントチェアは存在感も抜群で、お店のインテリアとしても、とても美しかったから、僕も自分の物のように大切に手入れをしたものだ。
しかしそれがある日、突然店内から消えてしまう事件が起きた。
驚いた僕は、そのスタッフに訪ねてみると、何と「彼女の誕生日にプレゼントをするお金が無かったからこれを上げてしまった」という。
その彼女は全く家具には興味が無かっただけに、僕はショックを隠しきれなかった。
そんなことなら代わりに僕がお金を出して上げても良いとさえ思ったほどだ。
その後、そのスタッフと彼女は別れてしまった。そしてそのスタッフもまたお店を離れていった。
それからしばらくして、僕は思い出のアントチェアを取り戻すべく、その彼女の消息を追った。
運良く、その彼女の居場所がわかり、早速交渉。
しかし、テキもあざとく、高額な金額を要求してきたものだから交渉も難航。
それでもなんとか執念で取り戻すことが出来たわけだ。
そして、一度は僕の手から離れていったこのアントチェアが、こうして今では僕の傍らでお店を彩ってくれている。
多くの椅子コレクションの中でも、この椅子ほど、何とも運命のような必然のような、感慨深いものを感じる一脚はないと思う。
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