フィンランドヴィンテージVSデンマークヴィンテージ(前編)
一般的に、北欧家具と一括りにされることも多いですが、個人的には、フィンランドデザインとデンマークデザインは、例えば、和食と中華ほどに、違いがあるように感じます。
では、どこがどのように違うのでしょうか。
まずデンマークの著名なデザイナーと言えば、真っ先に挙げられるのは、ハンス・J・ウェグナーではないでしょうか。
ウェグナーは、Ychairを初め、世界的にも知れ渡っているデザインを多く輩出し、今なお人気に高い家具であることは周知の事実ですが、その価格帯はやはり高級路線であることは間違いありません。
また、ウェグナーと並ぶ巨匠であるフィン・ユールもまた、職人の技術、素材、フォルムへの追求という家具の最高峰を目指したデザインであり、現在、その初期プロダクトは数百万で取引されているものも数多くあります。
そもそもデンマークモダニズムは、【伝統工芸を取り入れた美への追求】が根幹にあるような気がします。
それ故に、主な素材はチーク、ローズウッドなど、高級木材を輸入し、それらを優秀な職人の手によって、一つずつ丁寧に仕上げて行く、というプロセスを経ているものが多く、それらを受け入れた(値段的にも)国民性と文化(経済力も含め)が根幹にあったのではないかと思います。
もちろん、デンマークにも、アルネ・ヤコブセンや、ボーエ・モーエンセンなどといった比較的安価なプロダクトを提供している人気デザイナーもいますが、やはり素材へのこだわり、職人技術という面において、フィンランドより、基礎レベルが高い気がします。
それに対し、フィンランドデザインの根幹は、大衆的(ポピュラー)であり、誰でも手に入れやすい価格帯にするための工夫が随所になされています。
そのため、素材は自国内で採取が可能なバーチ材(白樺)を使用し、また高度な職人技術が無くとも、製造が可能な設計により大量生産が可能となり、なおかつ強度(買い替えずにすむ)にこだわった物になっています。
この考えは、フィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトの思想であると同時に、当時のフィンランドという国柄、文化、国力を如実に現した結果であるように感じます。
しかしながら、フィンランドデザインの中にも、パーヴォ・ティネルに代表されるように、職人の技術を駆使したデザインが存在するのも事実です。
これらは今、世界的にも高く評価され、中には美術品扱いを受けるものもあるのも事実です。
後編につづく
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