フィリップ・スタルクのTIP TOPとポエム(95)
太陽が燦々の降り注ぐ昼下がりに、缶ビールとビアグラスとおつまみを手に、庭に出る。
こぽこぽと音を立てながらビアグラスに流し込まれるビールに、爽やかなそよ風。
そんな至福の時を過ごす場所はいつも決まって、フランスのデザイナー、フィリップ・スタルクがデザインしたTip Topという名のサイドテーブルと、ポエムという名のスツールが置かれたウッドデッキだ。
透明感のあるアクリル素材は、傷が付きやすく、また木の椅子のように、経年変化を愉しむという要素は残念ながら無いけれど、着飾らない、気を使わない、そんなお手軽さが僕のお気に入りだ。
と今ではこのテーブルとスツールを評価しているけれど、実は僕、カルテルの商品はあまり評価してはいなかった。
なぜならば、そのメリットであるお手軽さが、逆に、チープに見えてしまうのではないか、そんな風に思っていたからだ。
しかし、それが間違えであると気づいたのは、Tip Topをイルマリ・タピオヴァーラのマドモアゼルというスポークチェアの前に置いた時だ。
不思議と、その存在感と高級感がぐっと増したのだ。
「ああ、こういう事か! カルテルは単品ではなく、その他の名作家具との組み合わせによって生きてくるんだ」そう思った瞬間だった。
きっとこれらの椅子やテーブルは決して主役にはなれない。しかし、名脇役があって主役が映えるように、これらの脇役があってこそ名作と呼ばれる家具達がより生き生きとするのだろうと。
しかし、そんなTip Topとポエムが、ウッドデッキの上では正真正銘の主役だ。
もちろん一流レストランの主役ではない。高級料理も高級ワインも似合わないかもしれない。
ただ、着飾らずに持ち込んだビールとおつまみには、最高に合うと僕は思う。
特に湿気が多い日本。木や鉄は腐ったり錆びたりするけど、こいつは傷は付いても腐る事も錆びる事も無い。
アアルトの椅子のような経年変化はとても素晴らしいけど、こうした日本の野外環境でも変わらない素材やプロダクトもまた、豊かな暮らしには必要なのかもしれない、そんなことを考えながら、今日もまた僕は飲んだくれている。
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