青木豊『歩く花嫁』
毎回、青木豊の作品鑑賞は、私にとって「観る」というよりも「浴びる」の方がしっくりくる。
とはいえ、抽象表現主義の巨匠、マーク・ロスコの奥行きあるレイヤーに溶け込んだ哲学や感情の放出とは真逆に、不思議と青木本人の感情をキャンバス表皮から感じ取ることができない。
むしろ、青木自身が主体的に描いているというよりも、何か漠然とした絵画の神のような、はたまた歴史の連続性から得られた伝統的な感覚に衝き動かされて創作しているのではないか、といった印象を受ける。
青木本人の「頭の中で音が鳴ったときに完成したことを知る」という言葉にも、その客観性が垣間見られるし、マルセル・デュシャンの「階段を降りる裸体no2」を想起した感覚からや、美術史の文脈に対しての向き合い方とその姿勢からも客観性が伺える。
ゆえに、青木は闇雲に感情をキャンバスにぶつけるなどという乱暴なことはせず、
謙虚に、誠実に絵画と向き合い、過去から現代、そして未来に向かって、与えられた使命を果たそうと筆を取っているように見えるのだ。
今回の個展『歩く花嫁』でも、そのスタンスは変わらず、更に昨年発表された個展『窓と行進』から得られた感覚を深化させ、今までの「光」と「動」に、迫り上がっていく上部への「力」と、新たに横軸への「動的変化」が加わった。
また新たに、下部が潔く切り取られ、観るものに無限的な想像を膨らまさせてくれる作品も発表した。
これまでキャンバス内に納められていた青木の表現が、新たなフェーズに移行していると感じさせる作品だ。
青木の中で積み上がっていく経験と知識や、研ぎ澄まされていく感覚、そしてその連続的な「時間」と「動き」と「光」をキャンバスに落とし込み、二次元と三次元を行き来させる試みは、彼独自の世界観であり、今回の個展を経て、今後、更に洗練されていくのではないだろうか。
青木豊の個展は今後も注目?!と思った方は、
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