Alvar Aalto ArmChair402 Zebla1940'S(130)
今回紹介するのは、Alvar Aaltoのプロダクトの中でも、まだ日本国内ではほとんど入荷されていないトップピース(1930年代〜40年代)のArmChair402です。
現在、Aaltoのプロダクトは、Stool60やChair69などのダイニングチェアなどが、知名度、数も相まって、それなりにトップピースが日本に出回っている(言うほど多くはありませんが...笑)のですが、
ことAaltoのラウンジチェアの初期ものを国内で見ることは希少で、まだまだ認知されていない分野でもあります。
実際、僕が手に入れたのは、去年、三鷹のOGABrwingCafeで使用した時が初めて(このときは401でした)
それまで、僕自身も、その構造や年代の判別など、詳しいことはほとんど知りませんでしたし、その魅力も理解できていませんでした。
そこで、今回は、そんなラウンジチェアの代表作の一つであるArmChair402のトップピース(1940年代)をレストアしてもらいました。
協力していただいたのは、山梨のSNORKさんと、長野(上田)のPh.Dさん。
まず、内部構造ですが、バーチ材で構成されたボックス型(組木)のケースの中に、スプリングが入っています。
※画像提供Ph.d (写真は60年代の401)
そのスプリングを麻紐で繋ぎ合わせてから、一旦麻布で覆い麻紐でスプリングと固定、そこに針葉樹のベジタブル系緩衝剤又は麻繊維を絡めるように敷き詰め、さらに麻布で覆い、それを麻紐で締め上げたのちを綿を加え、その上に生地が張られて行きます。(30年代のものは動物系の素材を使用していた可能性も?)
ちなみに50年代以降は、座り心地と、形の崩れを防ぐために薄いウレタンを使用しています。(30年代〜40年代の物も、張り替え時に薄いウレタンで形成する場合もあります)
※画像提供Ph.d (写真は60年代の401)
今回は、その生地に1930年代からAalto夫妻が好んで使ったArtek社のZebla生地を選択しました。
張り方は中古や現行品では、機械縫い&タッカー止めですが、初期の張りは手縫い&釘打ち(戦時中はキャンバス釘?)。
次にフレームですが、明確に初期の形状が違うのは、アーム部分の角度。
中古、現行品は、平行に近い(やや後ろに傾斜)のですが、初期の402は、立ち上がりが高く、後部に向かっての傾斜が強くなっていき、座面が深く沈み込むような状態になります。
これは今と当時の技法が違ったのか、設計そのものが違ったのか、また経年によって、アームが曲がったのか、その辺りは何とも言えませんが、個人的には、そのどれもが正解なのではないか、と思っております。
今回、このように、歴史を背負った名品を、当時と同じ技法と素材で蘇らせたわけですが、それには、現代の消費されるだけの家具や系譜の存在しない(浮いた存在)家具ばかりが氾濫する世の中において、歴史を背負った(系譜のある)【本物の価値】というものを皆さんに少しでも知ってほしいという思いがあったからなのです。
また、それを再び次の世代に繋いで行く、ということが、すなわち、自分たちは、歴史と未来を繋ぐ、接点であるという自覚と責任だと僕は思っています。
※こちらは現在、当店の2階にて展示しております
僕らは歴史と未来の接点だ?!と思った方は、
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