本物を知る?
家具の世界でも、何でも、「本物を知った方が良い」とは、よく聞かれる言葉だけれども、では、どうやって本物を知るのか、といえば、基本、使ってみるだとか、見てみるだとか、そういう答えが返ってくることが多い。
言い換えるとそれは、「本物を経験してみなさい」ということなのだろう。
もちろん、それはそれで正解かもしれないのだけど、それだけだと、僕にはちょっと不満な答えだ。
なぜかと言えば、経験しただけでは、決して、本物を知ることなどできないと思うから。
仮に、ウェグナーの椅子を使ってみました!と言っても、それでウェグナーの良さを知れるわけではなく、あくまで知るためのスタートライン(前提)に立っただけだから。
要するに、経験は前提としては必要だけど、実は、そこから先が本当はもっと重要だということを言いたいわけで。
では、その経験の先とは何かと言えば、「深さを知ろうとする意識」だと僕は思っている。
例えば、座り心地が良い椅子だな、と感じたら、その構造や素材の使われ方、ディティール、さらにはデザイナーのコンセプトやそのデザインに至った過程などを調べたり、想像したりする事で、初めて本物を知っていけるというわけだ。
しかし最近では、言語すらも簡素化し、形骸化し、パタ−ン化し、単なる「ツール」へと成り下がってしまっているし、デザインへの評価も同様に、その先(深さ)が欠如し、流行やブランド(パターン)だけで、薄っぺらくなってしまっている気がするのだ。
以前、西部邁氏がドイツの哲学者であるシュペングラーの「西洋の没落」を引用し、表現(言語やデザイン)がパターン化され、技術化されると、その文明は必ず没落、腐敗し、崩壊してしまうと指摘したように、実際、そういった危機が迫っているように思えるのだ。
そう考えると、まさに今、喫緊の問題として、僕らは、そういった「薄っぺらさ」から脱却し、本物という「深さを知ろうとする意識」へと転換しなければならないのではないだろうか。
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