SABOT Furnitureを訪れて(後編)
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前回は、ウェグナーの魅力、そして新品の商品を売るということについてお伺いしましたが、今回は小松氏がなぜ、スウェーデンを修業先に選んだのか、そんな話を訊ねてみました。
カーツ「僕の印象ですが、北欧家具と言ったらまずはデンマークやフィンランドを思い浮かべてしまいます。小松さんはスウェーデンで修行なさったとのことですが、実際、北欧の中でのスウェーデンの立ち位置ってどうなんでしょうか?」
小松氏「確かに歴史的にはデンマーク、フィンランドが中心ですが、今はむしろスウェーデンの方が家具作りは熱いんですよ」
カーツ「そうなんですか?」
小松氏「デンマークやフィンランドは巨匠が偉大すぎて、次に出てくる土壌が弱いのかもしれません。またスウェーデンは古典的なスタイルも強いんですよね」
確かに、デンマーク、フィンランドには、ウェグナー、ヤコブセン、ユール、アアルトなど、モダンデザインの巨匠が多く、また普遍デザインが出尽くした感もあり、そこから新鋭が出てくるのは難しいのかもしれません。
逆にスウェーデンにはそういったデザイナーが少ないことが良かったのでしょうか。
カーツ「ちなみに小松さんはご自身でも家具を作られていますが、ずいぶんと古典的なフォルムですよね。モダンデザインというより、それ以前の立ち位置が定まっていなかった時代のような・・・・・・」
小松氏「僕自身も、1930年代くらいの、古典的な北欧デザインが好きなんですよね」
実際に、小松氏が製作した椅子やデスクは、初期のフリッツハンセン社が出していたようなアールデコとモダンデザインの中間のような古典的テイストが強く感じられ、「モダンデザインでは出しづらい手の温もりというものも大事にしたい」、そういう小松氏のコダワリが表現されていました。
スウェーデンには、現代的でありつつも、古典的なスタイルを大事にしたアスプルンドという巨匠建築家もいますが、そういった古典的スタイルが今もなお、色濃く国民性として残っているからこそ、小松氏はあえてそんなスウェーデンを選んだということなのでしょう。
カーツ「ただ同時に、そういった古典的なスウェーデンのイメージとは違って、IKEAのイメージも強いですが・・・・・・」
小松氏「そうですね。スウェーデン人のほとんどはIKEAが好きで、ポストにはIKEAの広告だけは入れても良い、みたいな張り紙をしてるんです」笑
カーツ「そこまでですか?」笑
小松氏「日本でも家具好きな人とそうではない人がいるように、向こうでもそういうのでいいという人も沢山いるんですよ。でも基本、みんなインテリアは好きですよ」
なるほど、確かにデンマーク人だから全てウェグナーの家具しか買わない、というわけではないのと同じでそれぞれ価値観があるのでしょう。
最後に、今後の展開を聞いてみました。
小松氏「小売りはやはり厳しいですが、経年変化も含め、もっと勉強して、お客さんと直接対話をしながら商品の良さ、本物の良さを伝えて行ければいいと思っています。また、プリミティブなものとモダンの調和を発信していきたいですね」
今ではネットなどで気軽に家具を買える一方、商品の理解度が低いまま使われてしまうケースも多くなってしまいました。
今後は、きちんと良いものを直接説明して、買ったり売ったりする、そういうスタンスのお店が大事になってくるのかもしれません。
いや、そうあるべきだと僕は思いますし、そのとき、小松氏のような存在は貴重なのではないか、そう感じた対談でした。
取材協力
『SABOT Furniture』
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