彫刻家 小鉢公史さんのはしご(73)
家の中に「はしご」があったら良いな、とたぶん普通の人が考えないであろう願望をずっと抱いていたのだけど、実際にインテリアになりうる「はしご」となると、そうそうあるものではない。
まあ、むしろそんな使い方をするような需要がないのだから、当然と言えば当然なのだけど、それでも世間は広い?
と勝手に思い込み、そんな「はしご」にいつか巡り合えるのではないか、と根拠のない自信を持っていたところ、偶然にも茅ヶ崎のギャラリーで発見したのが、彫刻家である小鉢公史さんが創ったこの「はしご」
長いラワン材を切り出して創られたフォルムは、実用性はもちろんのこと、部屋に飾っていても美しい。
そんなこともあり、自分的には凄く気に入っているのだけど、よく、「何でこんな所に「はしご」があるの?」とか、「この先に何かあるの?」とか聞かれてしまう。
特別、意味はないのだけど、あえて言うならば、オノヨーコさんの作品「YES」を見た時、その脚立に惚れたというのが大きいのかもしれない。
何もない薄暗い空間の中央に、ぽつりと佇む古い脚立。
大げさに言うのならば、それは神秘的でアーティスティックな光景だった。
それが自宅で再現できるわけもないのだけど、その憧憬が僕の中で渦巻いていたのは確かなのだろう。
マルセル・デュシャンの現代アートのように、というと怒られてしまうかもしれないけれど、「はしご」という一見してインテリアになり得ないようなものが、こうして空間の一端を担っているというのは、僕にとっては非常に面白かったりする。
最近では、無駄か無駄じゃないか、という合理が判断材料になっている節もあるけれど、こうして一見無駄なものこそ、「ゆとり」であり、そういう遊び心があってこそ、空間も暮らしも豊かになるのではないかと思う。
また小鉢さんの日本製のはしごと、北欧家具の親和性も凄く良い。こういう親和性が日本人に北欧家具が受け入れられている要因なのだとも思う。
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