アルヴァ・アアルトのstool60 ヴィンテージ(43)
アルヴァ・アアルトのデザインほど、深みのあり、理解するのに時間の掛かるものはない、と僕は思っている。
実際に、僕がアアルトを理解したのも、彼の作品を知ってから10年近くが経ってからのことだった。
きっかけは友人である北欧家具taloの山口氏の薦め。
「カーツ君、これは本当にヤバい椅子だから買っておいた方が良いよ」と言われて差し出されたのが、このスツール60。
「なんだこの寂れたラーメン屋に置いてありそうな椅子は!」
僕の第一声はこうだった。しかも値段は6万円。当時は、到底理解出来る範囲の値段ではなかった。
しかし山口氏はその世界を見続けていたプロフェッショナルな人物だ。容易に否定できないのも事実だった。
さらに山口氏は続けてこう言った。
「今はわからなくとも、カーツ君なら必ずわかる日が来る。騙されたと思って買ってみな」と。
そこまで言われNOとは言えない。僕は渋々お金を払い、家に持ち帰ることにした。
それから4年ほど経った今、我が家にはこのスツール60が8本もある。
そのほとんどが希少なヴィンテージで、特に最初に騙されたつもりで購入した物は、その中でもずば抜けて良い。
山口氏の言うように、そうそう市場に出回る代物ではなかったのだ(このブルーのスツール60は、Casa BRUTUSの9月号に掲載されたほど)
さらに、スタッキング(重ねる)すればするほど、どこにでもありそうなシンプルデザインが格好良くなってゆく。
この不思議な感覚は、使ってみた者にしか、きっとわからない世界なのだと思う。
そんなアアルトの深い世界にどっぷりハマってしまった今では、このスツール60たちは、僕の椅子コレクションの中で最も大事な椅子になってしまった(今では6万円?安い!とか言ってるから怖い・・・)
そういう意味では僕はあのとき、山口氏に騙されて本当に良かったと思っている。
そして、そのときの教訓で、僕はその世界のプロが間違いない!という物は、例えそのときに自分がそれを理解していなくとも、使ってみることにしている。
餅は餅屋というが、文字通りその世界で一流の人間が薦める物に、間違いはないというのが、僕の持論となったわけだ。
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