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本当の価値(値段)を知る大事さ





常々申し上げていますが、名目の値段と実質の値段には明確な差異があります。



しかしながら一般的に、まずお客さんが聞いてくるのは名目の値段。



いわゆる、「これはいくらですか?」から始まってしまいます。



もちろん、その名目の値段がわからない限り、購入するというのは難しいのもわかります。



しかし、問題は、そのほとんどの場合、実質の値段(価値)というものを理解せずに、名目の値段だけで判断されてしまうことにあると思うのです。




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まず名目の値段というのは、あくまでそのものの価値を示すというより、そのものの単なる値段にすぎません。





ここで、価値=値段じゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、物やサービスが、価値と値段で一致しないことは、様々な経験からもお分かりではないでしょうか?




では実質の値段(価値)というのはどういうものでしょうか。



実質の値段には、様々な価値が内包されているので、一言では難しいでしょうが、希少性やそのものの文脈、完成度などがあるでしょう。



それらを理解するのは確かに難しいことですが、しっかりと説明を受けるなり、使ってみるなりすることで、それが実感できるのだと思います。




ともあれ、名目の値段に惑わされず、実質の値段(価値)で判断することが最も大事なことではないでしょうか。





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モダニズムの考察



一般的にモダンと言えば、モード(流行)とモデル(型)から生まれた造語です。



要するに、流行に乗せ、モデル化したものを大量に社会に流通させる、というイデオロギーこそ、モダニズムという解釈でしょうか。




1930年代初頭から始まったモダニズムは、1950年代にそのピークを迎え、その後、ポストモダンへとつながっていく、という系譜を鑑みれば、確かに流行的要素があった、とも言えます。




しかしながら、その当時に生まれたモダンデザインの多くは、一過性の流行という枠を超え、半世紀以上経った今もなお、そのデザイン性が高く評価されています。




また、次へと続くはずのポストモダンは頓挫し、それに代わるモダニズムを超えるものは今のところ生まれてくる気配はありません。




むしろ、多くの現代デザインが、モダニズム期に誕生したデザインのデフォルメやリデザインに留まっているようにさえ思えます。




ではなぜ、モダニズムという一過性のはずのものが、これほど長く人々の生活にとけ込むことになったのでしょうか。




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それにはさらなる深い考察が必要でしょうが、少なくとも、結果から導けば、モダニズムはモダニズムではなく、【普遍的モダニズム】であった可能性が高い、ということは事実のようです。




この普遍性を、当時のデザイナーや建築家が意図していたか否かは、それぞれの見解の相違はあるでしょうが、今なお評価されているデザイナーの多くは、その普遍性を少なからず意識していたのでしょう。




例えば、当時のデザインには機能主義や人間工学などに基づく考察もなされていましたし、現在だけではなく、未来というものも視野に入れながらの設計もなされていたように思えます。




要するに、モダニズムという言葉自体は、一過性という意味あいであったものの、その中で生まれたデザインは、本来の言葉の意味を、当時の優秀なデザイナーたちの手によって、超えてしまったということなのではないでしょうか。




結果的に、モダニズムは”モダニズム”を否定していた、というある意味、滑稽とも取れますが、そのデザインの多くが現代に残され、評価されているということは、当時のデザイナーにとっての本望であったのではないかと思います。




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クライテリオン(基準)の大切さ



何か物を選ぶとき、人は必ず、何かしらを基準に選んでいると思います。



その基準は一般的に、自身が過去に観てきたものと、お金(値段)であることがほとんどであると思います。



もちろん、この二点の基準は相互関係をもっていますので、完全にどちらか、ということではないのでしょう。



また例え感覚的であっても、それは過去の自身の経験などから導きだされているのであって、それもまた無意識下における基準があるのです。





ということは、必然的に、その基準自体をどう設定するのか、というのが、物を選ぶ上で、最も大事な要素になると言わざるを得ません。




例えば、このアイノ・アアルトのカルフラのグラス。現在の相場で言えば12000円〜15000円ほどですが、それを高いと感じるのか、安いと感じるかは、当然、今までの経験を元にした基準から判断することになります。





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仮に、今まで100円均一でグラスを買っていた人にとってみれば、それは理解できない値段でしょうし、逆に有名作家さんの作ったグラスを手にしている人にとってみれば、さほど高くは感じないでしょう。



もちろん、その前提において、そのもの自体の文脈というものも大事な要素でしょう。





このカルフラも、1935年〜38年と製造年数が極端に短く、また80年という年月とガラスの耐久性などを考慮すれば、希少性はかなり高いと言えますし、アイノ・アアルトの歴史、文脈を学ぶことで価値を知ることもできます。




もちろん、文脈があり、希少性が高いからといって選択すべきだ、というわけではありませんが、それもまた基準になるということです。



結局、すべてにおいての選択は、このクライテリオン(基準)に依存せざるを得ないわけです。



裏を返せば、この基準を高めることが、良い空間、美しい空間を作る上で、欠かせない要素ということになるのでしょう。




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イルマリ・タピオヴァーラ、ドムスチェアの魅力




アルヴァ・アアルトの陰に隠れ、あまり陽の目をみることの無いデザイナーである、イルマリ・タピオヴァーラですが、そのデザイン力は、世界のトップデザイナーにもひけを取らない素晴らしいものばかりです。



特に僕が好きなのは、1947年、ヘルシンキの学生会館、ドムスアカデミーのためにデザインされたドムスチェア。




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長時間の勉強にも耐えうる座り心地と、美しいフォルムは、プライウッドチェアの最高峰の一つと言っても過言ではないかもしれません。




今回の店舗でも、このドムスチェアのツートン(ビンテージ)をセット面のカットチェアに使用しております。




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実はこのドムスチェアのツートンは、ビンテージですと、フィンランドの現地でもなかなかお目にかからないレアなイス。




オープンまでに、出てこなければ、現行品で、妥協してしまう所でしたが、運良く3脚揃えることが出来たのです。



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皆様もご来店の際には、ちょっと着目していただけたらと思います。



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デザインを超えた世界?





主に、デザイナーズチェアと呼ばれるもののほとんどが、極めてデザイン的に完成されたもの、言い換えれば、「付け入る隙がない」ものばかりです。




例えばコルビジェのLCシリーズや、ヤコブセンのセブンチェアなど、トップデザイナーになればなるほど、その隙を感じるものはありません。




しかしながら、アルヴァ・アアルトのそれは、前記のデザイナーとは異なり、そのデザインに隙(余白とも言えますが)を感じるのです。




その隙はアアルトが意図して出したものか、はたまた偶然の産物なのか、(個人的には意図していたと確信していますが)




そこは歴史のミステリーではありますが、その隙によって生み出されたものは、「歴史」「文脈」がデザインに入り込む余地を与え、結果として、デザインを超えた世界へと誘ったというのは、事実であると思います。




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ちなみに、こちらのスタッキングされたstool60(すべて50年代)は、すべてレグまで同じ色で塗られ、さらに、スタッキング時にグラデーションとなるようにしたものです。




もちろん、当時にこのようなグラデーションが完成されていたわけではなく、snorkの小山氏によって、長い時間をかけ、意図して集められたものです。



この、明確なコンセプトのもとにこれが出来上がっているという点に、僕は注目しました。




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これによって生み出されたものは、もはやデザインだけでは片付けられない世界、いうならば、デザインを超えた世界とでも言いましょうか、芸術の域に達しているのではないか、そうとすら感じたのです。



それももちろん、アアルトが与えた隙によるものであることは間違いなく、アアルトのデザインだからこそ、なし得たものなのです。



そんなデザインを超えた世界(未来)が、当時のアアルトの目には見えていたのでしょうか、それまた歴史のミステリーではありますが、大変興味深く、改めてアアルトの深さというものに触れた気がしました。





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