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青木豊 個展 「親密さの諸階段」



先日、KOSAKU KANECHIKAで6度目となる青木豊の個展「親密さの諸階段」に伺った。
まず、初見としては、M・デュシャンの「階段を降りる裸体no2」から想起された去年の作品からの流れに加えて、大きな時間軸のズレや、色彩の変化が感じられた。


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特に青木自身が「色ではなく色彩として捉える事ができたことで、赤を使えるようになった」と話すように、今までの青木の作品にはないビビットな赤が使われるなど、新たな色彩が加わった作品群となっている。




さらに一際目を引くのは、今回初めての挑戦でもある200号を超える巨大な作品たちだ。この大きなキャンバスに対峙したことで、今までのサイズ感の作品への向き合い方も変わったという。


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また、明治以降の西洋的価値観に基づいた美術史が、日本の風土や歴史的な背景を抜きに始まってしまったのではないかと青木は感じ、もう一度、自分自身の眼差しと身体で捉え、再構築したいと考えているようだ。そして本展では、そこから派生する時間的な交錯と動き、さらには「蓄積」も表現しているという。




今回挑戦したの赤も、色彩としては、薄く柔らかな陽の光が、日々蓄積されることで濃度を深くしているとのことだ。


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さらに、スイスの建築家ペーター・ツムトアの「アトモスフェア」(空気感)からタイトルを引用した青木の意図は、周辺環境一つ一つの「親密な相互関係」を認識した結果、単体で重なる非連続なレイヤーではなく、折り畳まれるような連続性を持ったレイヤーで描いていると青木自身も話していることからも見てとれる。



この親密性は、光や影の関係性であったり、刻々と変化する自然環境や人工物であったり、そこに加わる人間自身の温度であったり、そういったものが複合的に接続、浸透し、空気感として心地よい美を生み出すのではないかと青木は感じているのようだ。




ふとそれが、以前、妻が、「綺麗は気が0(レイ)だから綺麗。逆に美しいは自然や人間の気によって生み出される」と、その違いを解釈していたことと重なった。




表現は違えこそ、青木が目指そうとしているのはこのような自然と人間との親密的な相互作用から生み出される「気の在る美」なのではないだろうか。
新たな試みとして去年からキャンバスの素地の余白を設けた作品を創作し始めたのも、そんな背景があるのかもしれない。




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桑田卓郎とレディメイド





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※2022「ごはんですよ。美濃焼」


マルセル・デュシャンの作品、【泉】に代表されるレディメイド(既製品の実用性を排除した作品)、



今回の桑田卓郎の作品は、露骨にそのレディメイドとの共通項が強く現れ、桑田が新たな領域で挑戦していることが感じ取れます。



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それは直接的に既製品のような(既製品かの確認は取れていませんが)美濃焼の茶碗をベースにしたこと、



さらにその茶碗の中に、泥漿を入れ、茶碗と言う機能を躊躇なく奪い取っていることからも、その意図が汲み取れます。





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とはいえ、今までの桑田卓郎とレディメイドが遠い位置に在ったかといえば、そうでもないことは理解できます。




例えば、彼が作品のモチーフに選んだ茶碗というのは、伝統的な日本陶芸、すなわち特別ではないもの(ありきたりのなんでもないもの)であり、そこからそれを芸術へと昇華させていく過程はまさにレディメイドの過程と共通します。





また、彼の作風でもある独特な造形や、誇張した梅花皮、石爆ぜなどの装飾は、茶碗と言う日常品からその実用面を意図的に排除し、芸術と見立てていると考えれば、今までも、十分に桑田卓郎とレディメイドの親和性は高かったと言えます。




しかし、それらレディメイドが芸術なのか、はたまた非芸術なのかの定義を明確にすることもできませんし、今回の桑田卓郎の作品をレディメイドと定義付けすることも僕にはできません。



あらゆるものが芸術であれば、あらゆるものは普通のものとなります。
そんな、ありきたりもの(日常的なもの)が芸術になりうるとしたら、そこにはある種の魔法のようなものが必要となるのでしょう。




この茶碗がもし芸術であると歴史が証明するのであれば、きっと桑田卓郎はその魔法を手にした数少ない現代芸術家なのかもしれませんね。







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青木豊『歩く花嫁』


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毎回、青木豊の作品鑑賞は、私にとって「観る」というよりも「浴びる」の方がしっくりくる。




とはいえ、抽象表現主義の巨匠、マーク・ロスコの奥行きあるレイヤーに溶け込んだ哲学や感情の放出とは真逆に、不思議と青木本人の感情をキャンバス表皮から感じ取ることができない。







むしろ、青木自身が主体的に描いているというよりも、何か漠然とした絵画の神のような、はたまた歴史の連続性から得られた伝統的な感覚に衝き動かされて創作しているのではないか、といった印象を受ける。




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青木本人の「頭の中で音が鳴ったときに完成したことを知る」という言葉にも、その客観性が垣間見られるし、マルセル・デュシャンの「階段を降りる裸体no2」を想起した感覚からや、美術史の文脈に対しての向き合い方とその姿勢からも客観性が伺える。





ゆえに、青木は闇雲に感情をキャンバスにぶつけるなどという乱暴なことはせず、
謙虚に、誠実に絵画と向き合い、過去から現代、そして未来に向かって、与えられた使命を果たそうと筆を取っているように見えるのだ。



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今回の個展『歩く花嫁』でも、そのスタンスは変わらず、更に昨年発表された個展『窓と行進』から得られた感覚を深化させ、今までの「光」と「動」に、迫り上がっていく上部への「力」と、新たに横軸への「動的変化」が加わった。






また新たに、下部が潔く切り取られ、観るものに無限的な想像を膨らまさせてくれる作品も発表した。
これまでキャンバス内に納められていた青木の表現が、新たなフェーズに移行していると感じさせる作品だ。



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青木の中で積み上がっていく経験と知識や、研ぎ澄まされていく感覚、そしてその連続的な「時間」と「動き」と「光」をキャンバスに落とし込み、二次元と三次元を行き来させる試みは、彼独自の世界観であり、今回の個展を経て、今後、更に洗練されていくのではないだろうか。




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桑田卓郎CUP(138)





最近の桑田卓郎のアート作品は、大型のものが主体となり、価格帯も高級車並み。




しかし、まだリーズナブルな価格帯で手に入れることのできるプロダクトでは 、
新たに“USE”シリーズを発表したり、また定番のCUPシリーズも随時販売され、手に入れることが可能です。




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僕は、そんなCUPシリーズの中でも、【タレ】と呼ばれる物が好きで、少しづつ集めているのですが、これが一つ一つ個性が異なりつつも不思議な統一感があり、コレクション心をそそるのです。



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アートとも言い切れない、プロダクトとも言えない、その中間を浮遊するような、それでいて軸がある、そんなプロダクトを生み出した桑田卓郎という才能を、身近に感じることのできる作品ではないでしょうか。
















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桑田卓郎展「TEE BOWL」


桑田卓郎展「TEE BOWL」




都内では久々の個展となる桑田卓郎の「TEE BOWL」へお邪魔してきました。



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まず今までと大きく違う点が、スケール感。


大きい、、、とにかく大きいです。「TEE BOWL」と言うより「KAME」といった感じのサイズですね。



DSC07132のコピーこちらは梅花皮などのオブジェたち


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ただ、コンセプトはあくまで茶碗なのでしょう。梅花皮、石爆ぜを中心とした今までのテイストをそのまま大きくした感じです。


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個人的にはこの白の茶碗。大中小の様々なプラチナとゴールドの雫の表情に加えた石爆ぜが、とても気に入りましたが、残念ながら売約済み。




さらに茶碗を逆さまにひっくり返し、ふたつを合わせてオブジェにした新作。表面は数カ所から石が飛び出し、中からは得体の知れないもの飛び出してきそうなミステリアスと躍動を感じます。


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将来的にはこのスケール感の作品、一つくらいは欲しいですね。 頑張ってハタらこww





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